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鮨の吉祥
飲食店
洞窟の中のハレの舞台
伊勢佐木町で25年もの間、鮨屋を営む鮨の吉祥の移転計画です。
鮨職人一筋のオーナーは会社名を嘉祥、店舗名を吉祥と縁起の良い名前を付けており、寿司は江戸時代から縁起の良い日の食事だったという事で、当初よりハレの舞台を作り、毎日が祭りのような縁起の良い店舗が作れないかと考えていました。
訪れた物件はコンクリートが綺麗なフルスケルトンの物件でした。そこで、フルスケルトンの物件の特徴であるコンクリートの躯体を生かしながら、洞窟の中にハレの舞台を作る事をコンセプトとし、祭りの舞台や神輿などをイメージとした木材による木組を用いた内装とすることとしました。また、祭りや神輿をコンセプトとしているからといって過去を再現するのではなく、現代的な感性も取り入れることを目指しています。出来上がった空間はコンクリートと言う新しい素材の中に木材の昔ながらの素材との対比や、新材の柱と古材の柱といった対比など、新旧の対比を用いながらこれからの時代にも受け入れられる懐かしさを持ち合わせた空間となりました。
装飾を足していく方法とは違い、既存の躯体を生かしながら限りなく装飾を削る事で木材によって作られる部分が浮き立ち、当初のコンセプトである洞窟の中のハレの舞台が出来上がっています。天井を隠す事で作れられるフィクションの世界では無く、配管まで剥き出しにする事で雑然としながらも対比が際立たせています。
CREDIT
役割
デザイン
場所
神奈川県
業態
飲食店
年月日
2022年9月
デザイン
小林商店
工事
宅見工務店
撮影
小林商店
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