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宝探しへ


小林商店の商品探し

楽しみにしていた地方出張


いくつになっても電車でどこかへ行ったり、車でどこかへ行ったり、新幹線でどこかへ行ったり、飛行機でどこかへ行ったりというものは本当に楽しみで仕方がない。ましてや、自分が求めているモノ好きなモノを探しに行くなんて『宝探し』へ行くようなものだ。


前日に史上最速の梅雨明けが発表されこの日も快晴で、宝探しにはもってこいの天気となった。


私たちは7時頃に事務所を出て、時間に余裕を持って行ったつもりが交通手段である電車が超満員。特急であるものの車内は混んでおり社長とはバラバラの席になった。もちろん隣には知らない人。仕事をする為にPCを開こうと思ったが、あまりにも席との間隔が狭かった為、諦めて寝ようとした。でも今日という日を楽しみに前日は早めに寝てしまった為、結局2時間ただただ電車に揺られて終わった。まあ、たまにはこういう時間も悪くない。


駅に到着して私たちは朝から何も食べていなかったので、朝からやっているカフェに入り朝食を食べた。人間というものは決まってご飯を食べたら眠くなる。



小林商店の商品探し

カフェを出て、レンタカーを取りに10分ほど歩く。もちろん大通りから行く道より裏路地から行く道を選んで向かい始めた。裏路地は怖いイメージだがその分その地ならではの何かが眠っていそう、という勝手な偏見だが、実際に歩いてみると、味を感じるお店や歴史を感じさせてくれる道が待っていた。こういったことから生まれる発想もあるからすごくいい勉強になる。


車をピックして車を走らせた。少し走らせるとそこには、都内では感じられない

大自然が広がっていた。すごく気持ちがいい。



とても陽気なおじいちゃん


小林商店の商品探し

ようやく目的地に到着して車から降りると、自転車を漕ぎながら『お〜う!』とやってきたのはとても陽気で暑さにも負けないオーナーのおじいちゃんだった。


挨拶をして、暑いから中へと出迎えてくれた先には私たちが探し求めていた宝物の倉庫だった。周りには同じような倉庫が何個も並んでいて私たちはすごく舞い上がった。


おじいちゃんは、倉庫の中にある来客室へ案内してくれると、冷蔵庫から山ほどのキンキンに冷えた飲み物を出してくれた。


小林商店の商品探し

少し落ち着くと、私たちを楽しみに待っていてくれたかのようにおじいちゃんはマシンガントークを始めた。そのトークの中には、陽気なおじいちゃんからは想像もつかない、波乱万丈な深い話や濃い話をしてくれて、私たちはつい聞き入って宝探しを忘れてしまった。


その時に話しているおじいちゃんは嬉しそうで何だか子供のようだったが、本当に色々と経験してきたんだなと伝わってきた。


宝探し


話も区切りがつき、次は倉庫へ行くことにした。倉庫はいくつもあり回るのには相当な時間がかかったが、その倉庫一つ一つに宝物が眠っていた。私たちは、隅から隅まで宝物をチェックしては写真を撮り、また見つけては写真を撮るを繰り返した。


探し求めていたものにはやはり歴史と年月と、時には技術と文化がたくさん詰まっていた。


小林商店の商品探し

これをどうやって使おうか?


考えるだけでもワクワクして楽しくなる。これから内装に使われる宝物を見ながら考えを巡らせていた。



商売を楽しむ、と言う宝物


ここにきて改めて思ったが、やっぱり日本は素晴らしい素材と文化と技術と職人が集まっている。たくさんの人たちにこのことを伝えて触れて知ってもらいたい。


宝物は見つかり注文も済み、帰り際におじいちゃんがこんな事を言った。


『昔は小物でも何でも買い取っては売ってとやったもんだ。今じゃみんな高いモノにしか目がいかない。今の時代でも小物でも探せば良いモノだって芸術だってたくさん眠ってる。だからいろんなモノを見て吸収して良いデザインを作ってくれ。』


と言われた。


小林商店の商品探し

贅沢はしない、正直に商売をする、と何度か言っていたおじいちゃん。自分が引退間近の年齢で、これからの世代を憂いての言葉なのだろう。


儲ける為の商売ではなく、楽しむ為の商売。そんなおじいちゃんだからこそ、皆んなから愛され、ファンが増えているのだと思う。含蓄のある言葉を最後に頂き、何よりの宝物を見つけた気分だった。

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